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参考:景品表示法についての詳細はこちらをご参照ください

クレジットノート(Credit Note)とは何か?意味を超分かりやすく解説(テンプレート、サンプル、フォーマット、ひな形フォームもダウンロードできます)

2021年2月1日

クレジットノート(Credit Note)とは何か?その意味、デビットノートとの違いを超分かりやすく解説(テンプレート、サンプル、フォーマット、ひな形フォームもダウンロードできます)

海外で働いていると、お客さんから「クレジットノート(Credit Note)ください」と言われる場合があります。

特にシンガポールとかでは、売り手が既に販売済みのものを取消処理というか返金処理をしたい時にクレジットノート(Credit Note)はよく使われますし、金融だけではなくて、商社、貿易関連でも出てきます。

特に貿易業界ではクレジットノートの処理とか知識はメジャーですよね。

この単語自体は、ビジネスやっているところでは、ほぼ使われている感じですが、非貿易の場合、英国統治国で使われることが多い感覚がします。

日本の経理実務ではほとんど馴染みがないため、クレジットノートの日本語訳は存在しません。カタカナで「クレジットノート」と呼ぶのが一般的なようです。

とにかく経理部関係の方にとっては、必須記憶単語ですよ!→ 応援

クレジットノート(Credit Note)の意味

クレジットノート(Credit Note)の意味、超簡単に言いますと、売り手の売ったものに欠品や不良品があった場合に、売り手が発行する「返金を約束する」書類です。

別の言い方をすると、クレジットノート(Credit Note)分の取引をキャンセルする書類とも言えます。

下記のサンプルを見てほしいのですが、既に発行しているインボイス(Invoice)KKB15021に記載してあったNUT Standardに不良品があって、VAT込みで$110返金しますよ。という意味になります。

売った際に商品に対して発行されるのがInvoice(インボイス、請求書)です。

そして売り手が買い手に対して、$110返金しますと言う約束をする書類がクレジットノートです。

(クレジットノートは、「クレジットメモ」と呼ばれる場合もあります)

請求書の取消しではなく、わざわざCredit Note(クレジットノート)を使う理由

請求書をExcelやWord等で手作りで作成している場合、自分で自由に請求書番号を割り振ることができるので、極論で言うと請求書を再発行しても良いわけです。

但し、一般的な企業ですと今では会計ソフトを使用して請求書を発行していますし、削除した請求書にも請求書番号がすでに割り当てられており、削除した請求書の請求書番号を無かったことにはできません。

会計監査、税務調査、内部監査等を行えば、削除した請求書の存在は明白ですし明らかになりますし、会計上・税務上、単に請求書を削除しただけでは、売上からその請求書分の売上額を控除することは認められません。

そのため、正式に発効した請求書の内容の一部、または全部をキャンセルするために、請求書の相手方宛のCredit Noteという書類を作成する必要があります。

つまり、いったん発行した請求書を取り消すには、請求相手方に対して「Credit Note(クレジットノート)」という書類を発行しなければならないわけです。

ちなみに反対のケースで、買い手が売り手に$110分返してくださいという時に発行する書類がデビットノート(Debit note)です。

このクレジットノート(Credit Note)、デビットノート(Debit note)という表現、なぜCredit、Debitという単語が使われているか気づいた方もいると思いますが、英文会計や米国公認会計士(US CPA)の勉強をしている方にとっては馴染みのある単語です。

会計上のCreditとDebitの意味と仕訳

簿記の英語では、左の借方をデビット(Debit)、右の貸方をクレジット(Credit)と言います。

貸方には、

負債の増加
資本の増加
収益の発生、
資産の減少、
費用・損失の減少、

などが記録されます。

当初、売主が商品を売掛で販売して、売上として仕訳する場合は、

売掛金 〇〇 / 売上 〇〇 となります。

ちなみに現金をすぐに貰っていた場合の仕訳は、

現金 〇〇 / 売上 〇〇 となります。

クレジットノート(Credit Note)の発行者は売主なので、商品が返品されると、その分売掛金や現金が減少します。
売掛金は会計上の資産ですから、減少時は貸方(Credit)側に移動します。

仕訳は以下のようになります。

売上 〇〇 / 売掛金 〇〇

もしくは現金の場合は、

売上 〇〇 / 現金 〇〇

マイナスにするというわけで右の貸方(credit)、「クレジットサイド」に仕訳することになります。

つまり、相手方に対して、会計上の貸方(credit)にこのような金額を記録しましたという通知をする内容の書類なわけです。

ちなみに、Creditは直訳すると「信用」という意味です。

貸借対照表上、貸方(右側)には負債と資本(※正確には純資産)が計上されます。

負債は債権者(銀行等)から、資本は出資者(株主)からそれぞれ「信用」を受けて託された資金といえます。それゆえ、貸方(右側)には「信用」を意味するCreditという名称が付けられたと覚えるとスッキリしますね、笑。

脱線しましたが、このように考えるとクレジットノート(Credit Note)の意味も分かりやすいと思います。

貿易事務で「クレジットノート(Credit Note)」と「デビットノート(Debit Note)」が発生する背景

貿易取引では、輸出者(売主)が輸入者(買主)へ輸出した「商品の到着」と、輸入者(買主)から輸出者(売主)への「商品代金の支払い」には時間差があります。

例えばコンビニとかでおにぎりを買う場合は、代金支払いと商品受け取りが同時に行われますが、貿易取引ではそのタイミングがズレるわけです。

貿易の場合、一般的には、輸入者(買主)が商品を受け取る前に輸出者(売主)へ支払うケースが多いです。

信用のない取引を行う場合は、売主は先にお金をもらわないと出荷しないのが普通ですからね。

届いた商品に欠陥がなく、数量も正しければ何も問題は起こらないのですが、もし注文した商品が入っていなかったり、数量が不足していたり、あるいは輸送中の荷崩れや破損などで商品価値が無くなってしまった場合、あと不良品があったりする場合は、その分の商品代金の支払いについて揉めることになります。

例えば先に100個分の支払いを済ませているのに、商品として価値のあるものが95個でしたら、買主は5個分、損しますからね。

(商品を受領してから支払う場合は、商品確認後に代金を支払う輸入者(買主)が優位に立ち交渉が進められますが、商品を受取前に支払う場合は、輸入者(買主)はすでに支払ってしまっているため、返金の交渉をする必要があります。なぜなら、輸出者(売主)は全品無事に着いていると思い込んでいる、というか、破損があったことを知らないためです。

こうした問題が発生した場合、輸入者(買主)は即座に輸出者(売主)へ欠品や不良品があったことを伝えます。
メール、電話、FAX、今ですとWhatsAppやLine、WeChatなどのSNSで連絡するケースもありますよね。

証拠書類、写真などを一緒に送付します。

輸出者(売主)は、そのクレームを受け取り、「これは対応しないといけない!」と非を認めた場合に、使うことになるのが「クレジットノート(Credit Note)」と「デビットノート(Debit Note)」なんです。

上記、不良品や欠品などのほかに、以下のようなケースだと「クレジットノート(Credit Note)」と「デビットノート(Debit Note)」を作成します。

(1) 請求金額が過大だった場合
(2) 適切な割引レートが適用されなかった場合
(3) 保証期間中の商品の不具合
(4) 売主の求める仕様を満たさず、商品が返却された場合

貿易実務での「クレジットノート」

「クレジットノート」は輸出者(売主=荷送人「Shipper」)が輸入者(買主=荷受人「Consignee」)に対して返金を約束する(債務を認める)書類です。

「デビットノート」は輸入者が輸出者に対して返金を請求する(債権を請求する)ときに発行する書類になります。

クレジットノートとデビットノートの関係

クレジットノートとデビットノートは、対(つい)になる関係、つまり売り手が買い手から余分にもらったものを返金してあげるか、買い手が売り手に対して返金請求するかなので、売り手か買い手のどちらかが発行すれば済むわけです。

一般的には、売り手から「クレジットノート」を発行するだけで済ますケースが多いです。

※つまり、デビットノートは発行しないことが多いです。

クレジットノートとデビットノートの違い

違いをまとめるとこんな感じです

輸出者(売主=荷送人「Shipper」)が輸入者(買主=荷受人「Consignee」)に対して発行する
→  Credit note(クレジットノート)

輸入者(買主=荷受人「Consignee」)が輸出者(売主=荷送人「Shipper」)に対して発行する
→  Debit note(デビットノート)

クレジットノートとデビットノートの注意点

「クレジットノート」や「デビットノート」は伝票的な性質、書類が発行されたからといって、ただちにその金額が支払われることは少ないです。

どちらかと言うと継続的な取引をしている中で、次に支払いがあるときに相殺(ネッティング)するために利用されることが多いです。

(相殺して決済することを「ネッティング」と言いますが、この方法は貿易特有の商慣習です)

貿易取引の場合は、国を跨いで売買していますし、返金する金額が小さければ、海外送金の手数料の方が高くつきますし、手続き(手間)が増えることにもなりますので、次の取引で相殺するのが一般的です。

ただ、相殺することがルールとして決まっているわけではないですし、返金金額だけで送金しても問題はなく、相手との交渉次第になります。

※国によっては、相殺(ネッティング)が認められない国があります。「クレジットノート」や「デビットノート」を発行するような事態が起きたら、交渉時に確認してください。

デビットノートについての詳細解説

クレジットノートについて理解したら、次はデビットノートについてもご一読ください。2つで1セットですので。

デビットノートはこれとは逆に輸入者側が作成した書類を言います。基本的に内容は同じです。

デビットノートについての詳細確認したい方は、↓こちら↓をクリックしてください。



まとめると、支払いを約束するのが「クレジットノート」、支払いを求めるのが「デビットノート」です。

以上、クレジットノート(Credit Note)、クレジットメモ(Credit Memo)の説明でした。

もし時間に余裕がありましたら、「ユーザンス(usance)の意味を詳細解説。貿易、金融での頻出用語!」もぜひお読みください。(リンクをクリックしてください!)

クレジットノート(Credit Note)のテンプレート サンプル フォーマット ひな形フォームのダウンロード

クレジットノート(Credit Note)のフォームをダウンロードしたい方は、こちらのCredit Note Formをクリックしてダウンロードしてください。

Excelフォームになっています。

補足ですが「クレジットノート」「デビットノート」の書類様式は決まったものはなく、会社によって異なります。

作成のポイントとしては、①いつ、②どこで、③誰が、④何を、⑤いくらで、取引したのかなどを明記しておく必要があります。

基本的には、Invoiceに入力している内容のタイトルや文言を一部修正すれば大丈夫です。
つまりタイトルをInvoiceから「Credit Note」に変更したり、Invoice Issued Dateを「Credit Note Date」に変更してしたり、金額をそれぞれマイナスにする等々をすれば、作成の手間が少なくて済みます。

今回、ご提供しているダウンロードサンプルは、一般的な形式で作成しています。ほかにどんな書式なのか興味のある方は、「Credit Note」、「Debit Note」で画像検索してみてください。いろんなフォームを発見できると思います。

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