EBOは何の略?ユニゾのEBOが有名!その意味と解説【M&A用語】
EBOは何の略?ユニゾのEBOが有名!その意味と解説
EBOとは、Employee Buy-Out(エンプロイー・バイアウト)の略です。
EBO(Employee Buy-Out、エンプロイー・バイアウト)とは、自社の従業員が会社や事業を買収することを言います。
従業員のみが買収資金を調達して自社を買収することは一般的ではありません。それは従業員が多額の買収資金を準備することが難しいからです。
従業員の自己資金だけでは買収資金が不足する場合には、プライベート・エクイティ・ファンド等をエクイティ・スポンサーとして資本性資金を、そして銀行等の金融機関から負債性資金を調達して買収資金を賄うことが一般的です。
ユニゾHDの例がEBOで有名
日本の上場企業としてはEBOの初事例となります。ドラマや小説でないとなかなかお目にかかれない、この買収手法なんです。
その詳細は、以下の記事を参考にしてください。
不動産会社ユニゾホールディングス(HD)は2020年4月3日、一部従業員と米投資会社ローン・スターによる同社への株主公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。株主から86.55%の応募があり、買い付け予定の下限である66.7%を上回った。応募株式の買収額は1777億円で、全株取得による最終的な総額は約2050億円となる。
2019年7月に旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)の買収表明で始まったユニゾHDを巡る争奪戦は、9カ月に及ぶ異例のTOB価格引き上げ合戦へと展開し、株価の3倍の上昇をもたらして決着することになった。
一部従業員とローン・スターが設立したチトセア投資は3月18日にTOB価格を1株5700円から6000円に引き上げると発表、応募期限を4月2日まで延長していた。従業員による買収(EBO=エンプロイー・バイアウト)となる。今後は株式併合により少数株主を排除する手続きを経て全株式を取得する予定で、ユニゾHD株は東証一部を上場廃止となる見通し。
また、ユニゾHDは3日、小崎哲資社長、鈴木孝夫会長をはじめ監査役、執行役員を含む役員43人が6月下旬に開催予定の定時株主総会終了時をもって辞任・退任すると発表した。かねてEBOが成立すればグループ会社を含めた経営陣が全員辞任すると表明していた。
後任社長を含む人事について、ユニゾHDの広報担当者は「チトセア投資が選任できるが、詳細に関しては当社と協議の上で決定する予定」と電子メールで回答した。また、ローン・スターから取締役1人が派遣される見通し。
ユニゾHDを巡る争奪戦はまず、HISが1株3100円で敵対的TOBを仕掛けたことで始まった。これに対して、ユニゾHDは反対を表明。対抗措置としてソフトバンクグループ傘下のファンド、フォートレス・インベストメント・グループが実施する同4000円でのTOBに賛同するとしたものの、その後撤回。フォートレス傘下では会社が実質解体される懸念があるなどと批判した。
さらに、米投資会社ブラックストーン・グループが10月、ユニゾHDの同意を条件に1株5000円でTOBを実施する意向があると表明し、争奪戦に名乗りを上げた。最終的に同6000円まで提案価格を引き上げたものの、あくまで同意を条件とした提案であり、敵対的TOBには踏み切らなかった。
こうした中で12月、従業員らが1株5100円でのEBOを発表し、ユニゾHDが賛同を表明。他社の動向をにらみながら価格を引き上げてきた。新型コロナウイルス感染拡大による相場変調が始まった後の今年3月18日、1株6000円への引き上げを発表。この買い付けにユニゾHD大株主の米エリオット・マネジメントやいちごアセット・マネジメントが応募する契約を締結した。
EBOの発表で敵対的TOBのレッテルを貼られたフォートレスは、TOB期間を延長しながらも、最終的な価格引き上げは1株5200円にとどまった。3月19日に応募総数が買い付け下限に満たなかったとしてTOBの不成立を発表した。
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